Optics & optical coatings
ガイダンス
プリズムセレクションガイド
プリズムはガラスを様々な形に加工することで、屈折による特殊な効果を生み出します。
角度精度が高く、製作後は角度が狂うことがないことから、角度の基準としても利用されています。
要求 | 代表製品 | 使用例 | |
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光を反射させる | 45°直角プリズム (RPB/RPSQ) |
ミラーの代用品 小型光学系の反射体 |
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光を元に戻す | コーナーキューブ(CCB) リトロリフレクター(RCCB) |
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波長を分離する | 60°分散プリズム | 分光計測、分散補償 | |
特殊な効果 | ダブプリズム(DOP) ペンタプリズム(PPB) ペランブロッカプリズム(PBPQ) |
像の回転や反転 墨出し器の90度基準 |
屈折と臨界角について
ガラスに光が斜めから入射すると、光はガラスと空気の境界面で屈折を起こし、光の進む方向が変わります。
このとき、屈折率の小さい空気側の入射角度より、屈折率の大きいガラス側の出射角度の方が小さくなります。
この関係はガラスの屈折率が解ればスネルの法則の式から求めることができます。
次に、ガラス側から境界面に下の図の出射角度θbと同じ角度で光を入射させた場合でも、全く同じ経路を通り、入射角度θaと同じ角度で空気側に出射されます。
ところが、ガラス側から境界面に大きな角度で入射させると、空気側に出射する角度が90度を越えてしまうことになります。この空気側の出射角度が90度のときを『臨界』と呼びます。この臨界になる入射角度のことを、臨界角と呼びます。
この臨界角θrより大きな角度でガラス側から境界面に光を入射させると、全反射を起こし空気側に光が漏れることはありません。