光学素子 ガイダンス

ガイダンス

レーザを安全に扱うために

レーザ光は目に入ると失明に至る重大な障害を起こすことがあります。このため厚生労働省は、レーザの使用者や製造者に対し『レーザ光線の障害による防止策について』の通達を出しています。レーザを使われる方は、必ず事業所や所属機関の安全管理者に確認してください。事業所や所属機関によって、安全基準や安全対策が異なっています。
JIS C 6802ではレーザ製品のクラス分けを規定しています。この規定に従って、レーザ製品には該当するレーザクラスのラベルが貼られています。JISではこのクラス分けにしたがって、段階的に使用者の予防手段を定めています。
レーザを購入時または使用する場合、必ずレーザのクラスを確認し、その危険性を認識した上で安全に使用してください。

レーザ保護眼鏡

レーザ保護眼鏡はレーザごとに使用する眼鏡が決まっています。
レーザの波長が異なった眼鏡を使うと保護効果が得られず、たいへん危険です。
レーザ保護眼鏡はレーザの波長に合わせてご用意ください。

光学素子の取扱い方法

光学素子には複数に光を分岐するものがあります。(グランレーザプリズム、PBS、ビームスプリッター、etc.)
これらの素子を使う場合は、分岐されたビームを全て安全に終端してください。
また、プリズムのような形状のものは、想定以外の方向にビームが分岐している場合があります。
必ず、プリズムの全周を確認して、迷光は安全に処理してください。

光学系の設置方法

光学系を設置する場合は、レーザビームの高さは、立った姿勢の作業者の目の高さより上方か、座った姿勢の作業者の目の高さより下方を通すことが望ましいとされています。
また、不必要なレーザの露出を避けるために、光路に難燃性のビーム囲いを設けることも有効です。

レーザの設置環境

レーザビームが実験スペースから外に露出することを避けるために、実験スペースを暗室で覆うことは安全対策の上でたいへん有効です。レーザ管理区域の仕切りとしても使え、関係者以外の出入りを制限することができます。
また、光学実験で外乱の光の影響を取り除くこともでき、微弱な光を使った光学調整にも有効です。

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光学素子の取扱い方法

光学素子は消耗品です。開封した直後から劣化が始まります。
長期間使っている間に、光学素子の表面にはキズや汚れが増ていきます。光学素子に付いたキズや汚れは、レーザ光を散乱させたり、回折光を発生させたりして、実験に悪影響を及ぼす可能性があります。
光学素子がどのぐらいの期間まで使うことができるかは、実験目的や使用環境によってまちまちですが、一般的な使い方であれば、2~3年は使用できます。

ハンドリング

光学素子の取扱いには、キズや汚れを付けない様に、細心の注意が必要です。基本的には、研磨されている面は触ってはいけません。砂面になっている部分か、側面(コバ面)を軽く持ちます。
光学素子を持っている間は、素子を落下させないように細心の注意が必要です。できれば、指サックなどを使って素子に触ることをお薦めします。
光学素子をホルダーに固定する時は、輸送などの特別な場合を除き素子を固定するネジを強く締め過ぎてはいけません。強く締めると、素子が破損したり、光学素子の性能を悪くする可能性があります。
光学素子は、カタカタ動かない程度に軽く締めてください。振動がかかるところなど、素子を固定しているネジが緩む可能性がある場合は、光学素子をホルダーに接着するか、ネジをネジロックでとめることをお薦めいたします。

クリーニング

光学素子にホコリや油脂などが付着して、クリーニングする必要があると感じた場合は、まず第一に、その素子がクリーニング可能な素子かどうかを確認します。金コート(保護コート無し)、アルミコート(保護コート無し)などは、紙などで擦るとキズが入り、使用できなくなります。
これに対し、誘電体多層コートや保護膜付きコートは、クリーニングすることは可能です。ただし、クリーニングはキズをつけるリスクがあるので、必要最低限にすることをお薦めします。
光学素子を拭き取る場合は、必ず素子をホルダーから外してください。ホルダーを付けたままで光学素子を拭くのは非常に難しく、経験が必要になります。

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光学素子の拭き方
  1. 準備するものは、レンズペーパー※1を複数枚、アルコール(エタノールやメタノールなど)、指サック(あればパウダーフリータイプ)、エアーブロアー※2です。
  2. 両手の指に指サックをはめ、アルコールを含ませた紙で指サックに付いた汚れを拭き取ります。次に、レンズペーパーを3~4cm幅に細長く折りたたみます。
  3. 利き手と逆の手で写真のように光学素子の側面を持ちます。
  4. 細く折ったレンズペーパーは軽くアルコールを含ませ、光学素子の面を挟み込むように折り曲げます。
  5. レンズペーパーで光学素子の中心をはさみ、光学素子を利き手と逆の手の指で回転させます。
  6. レンズペーパーを光学素子の中心から外側に少しずつずらし、素子の淵まで来たら、ゆっくりとペーパーを挟んでいる力を抜き、光学素子からペーパーを取り除きます。
  7. 光学素子の表面を光にかざし、汚れの状態を確認します。光学素子の表面についた小さな埃は、エアーブロアーで吹き飛ばします。
  8. 汚れが取れていなかったり、拭きスジが残っていたら、レンズペーパーを交換し、もう一度同じ手順で光学素子を拭き直します。拭き終わった素子は、汚れていない薬包紙や専用のプラスチックケースに入れ保管します。

※1 レンズペーパー(SLP-2) ※2 エアーダスター(B-OFF)

保管方法

光学素子は一般的な環境では非常に安定していますが、長期間、高温多湿の環境にさらされると、表面にくもりが発生することがあります。また、長期間動かさずに放置されていると、カビが発生することもあります。
このため光学素子を長期間使用しないときは、乾燥した容器に入れて保管します。
小さなものは、カメラ用のドライボックスに乾燥剤と一緒に入れて保管します。光学素子の汚れをきれいに拭き取り、キズが付かないように薄くてやわらかい紙に包んで箱に入れます。
大きな光学素子や光学機器を保管する場合は、ドライ・キャビ®を使用してください。ただし、ドライキャビ®※3は機密性は高くないので、電源を切った状態で放置すると効果がありません。電源の入れ忘れやコンセントの抜けにご注意ください。
また、購入したばかりの素子を保管する場合は、梱包された袋から取り出して保管することをお勧めいたします。

※3 ドライキャビ®(HD-M2/TDS)

Dry Cabi

光学素子の表面にホコリが着いた状態で、強いレーザを当てると、埃が焼き付きを起こして、素子の表面の汚れが取れなくなる場合があります。このため、使用していないときは光学系にホコリが付かないように、カバーをかけることをお薦めします。
また、光学系を使用する直前には、エアーブロアーやクリーニングで光学素子のホコリを取り除くことをお薦めいたします。

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