光学素子 ガイダンス
ガイダンス
ビームスプリッターセレクションガイド
透明な光学素子でレーザビームなどを透過光と反射光に分けるものをビームスプリッターと呼び、
その中で、透過光量と反射光量が1:1に分けられるものをハーフミラーと呼びます。
ビームスプリッターの形にはプレートとキューブの2タイプがあります。
タイプ | 該当製品 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|---|
プレート | 大きなビームに対しても、軽量で安価に使える。光源に戻り光が戻らない。キューブタイプに比べ光路長が短く、波長分散が小さい。屈折による透過光の光軸の平行移動がある。45度入射で使用すると有効径が楕円になる。入射方向によってはビームのケラレが大きくなる | 大きな口径で使用する光学系 観察系などの照明光の導入や像の分岐 緩やかな発散光や収束光を使った光学系 |
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キューブ | どの方向からも有効径を最大限利用できる。設置が簡単にでき、光学調整が容易に行える。口径が大きくなると重くなり、高価になる。複数の戻り光(1%以下)が発生する。プレートタイプに比べ材質内を透過する光路が長く、波長分散が大きい。 | 光学系をコンパクト化する場合 レーザビームを使った高精度な光学実験 光学系を正確に配置する実験の場合 |
レーザ(直線偏光)を使った実験
レーザを使った実験では、偏光特性でハーフミラーの分岐比が大きく変化することがあります。
各種ハーフミラーの偏光特性を理解した上で、目的にあった選定が必要になります。
タイプ | 該当製品 | 特徴 | 用途 | 偏光依存性 |
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無偏光 (NPCH) |
精密なレーザの実験に使用します。任意の偏光状態でも正確に光量分岐ができます。 | 偏光状態が変わっても1:1に分岐します。光量ロスがありません。 | ||
ハイブリッド (HBCH) | 白色光や多波長のレーザ光を分岐するときに使用します。 | 指定方向から入射すれば1:1に分岐します。多少の光量ロスがあります。 | ||
誘多膜プレート (PSMH) |
大きなビーム径の光を分岐する場合に使用します。光量が小さい場合や複数枚重ねて使う場合に使用します。出力の高いレーザ光を分岐するときに使用します。 | 偏光方位45度か円偏光で使用します。光量ロスはありません。 | ||
クロムプレート (PSCH) | 大きなビーム径の光を分岐する場合に用います。観察系などの照明光の導入に用います。 | 偏光方位45度か円偏光で使用します。36%程度の吸収があります。 | ||
クロムキューブ (CSCH) | レーザの基礎実験や光学系をコンパクトにする場合に使用します。低価格で購入できます。 | 偏光方位45度か円偏光で使用します。40%程度の吸収があります。 | ||
誘多膜キューブ (CSMH) | 白色光や非偏光(LED光)の光量分岐に使用します。 | 偏光方位45度か円偏光で使用します。光量ロスはありません。 |