ホルダー

ガイダンス

ビーム整形ホルダー テクニカルノート

スペイシャルフィルター

レーザビームはミラーやレンズなどの光学素子を通る間に、少しずつビームの波面が崩れてきます。
また、光学素子に付着した小さな塵によって、測定物に存在しないはずの回折リングが観察されることがあります。
スペイシャルフィルターは一度崩れてしまったビーム波面から崩れた波面成分だけを取り除き、 きれいな球面波を得ることができます。

原理

平面波を理想的なレンズで集光させると、小さな点に光が集ります。これに対し歪んだ波面成分は集光点の周りに散らばります。そこで、集光点と同じ大きさの穴を開けておくと、集光波面(球面波)は穴を通り抜けることができますが、波面の歪成分は穴を通れず、穴の周りで遮断されます。
スペイシャルフィルターを使う場合は、対物レンズによる集光点(集光スポット)の大きさと穴の大きさを合わせなければなりません。
もし、集光スポット径より穴径が大きすぎると、出射された球面波に歪みやノイズが残ることがあります。
また、集光スポット径より穴径が小さすぎると、発散ビームの周りに同心円の回折リングが生じます。

構成

スペイシャルフィルターは顕微鏡用の対物レンズとピンホールで構成されています。対物レンズはピンホールまでの距離を変える直動ステージと、集光スポットに対しピンホールの位置を平面で動かせる十字動ホルダーが備わっています。
スペイシャルフィルターホルダーの調整方法については干渉計の章を参照してください。

選定方法

スペイシャルフィルターを使用するときは、集光スポット径とピンホール径を一致させる必要があります。
集光スポットの径は、対物レンズに入射するビーム径と対物レンズの焦点距離から求まります。
このときのビームスポット径(2ωο)は強度分布の1合目強(1/e²=0.135)の範囲になるので、この範囲でピンホールで切ると、入射光量の約15%が損失することになります。
さらに、ピンホールのエッジがレーザ光で照らされることにより、回折リングを発生させてしまいます。このため、ピンホールはスポット径(1/e²)の2倍の大きさを選択します。
この範囲まで来れば、入射光量の損失は0.03%になり、ピンホールのエッジがレーザ光に照らされる心配はなくなります。

使用例

ケース(A)

He-Neレーザ
対物レンズ

05-LHP-111
OBL-20

ビーム径(出射口、1/e²)
焦点距離

0.59mm
9mm

選択したピンホールはPA-25(25µm)
該当製品:SFB-16RO-OBL20-25

ケース(B)

He-Neレーザ
対物レンズ

05-LHP-171
OBL-10

ビーム径(出射口、1/e²)
焦点距離

1.02mm
16.56mm

選択したピンホールはPA-25(25µm)
該当製品:SFB-16RO-OBL10-25

結果
  レーザ入射
ビーム径 d
[mm]
対物レンズ
焦点距離 f
[mm]
計算結果
A
[µm]
ピンホール
穴径(選択)
[µm]
ケース (A) 0.6 9.00 24.2 25
ケース (B) 1.0 16.56 26.7 25

使用波長λ 632.8nm

注意事項

上記の計算はレーザと対物レンズの距離が短い場合の結果です。レーザから対物レンズの距離が離れると、レーザのビーム拡がりによって、対物レンズに入射するビーム径が大きくなります。入射ビーム径が大きくなると、集光スポットは反比例して小さくなります。このため、より小さなピンホールを選定する必要があります。入射ビーム径は、右記の式で計算できます。

d=dh+α×L
レーザ出射口ビーム径(直径、1/e²): dh
レーザビーム拡がり(全角):α
レーザから対物レンズまでの距離 : L

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