ホルダー

ガイダンス

ホルダーガイダンス

ホルダーを選ぶ場合、素子のサイズに合わせるだけではなく、光学系の機能を満たすのに必要な調整ができるか、
光学系が制限内の寸法に納まっているかなど、様々なことを確認しなければなりません。
ここでは、光学系構成を検討していく手順と、
ホルダーを選定する上で知っておく必要がある具体的な光学調整の例を上げて解説します。

光学実験装置を作るには、まず、実験原理に基づいた光路図を用意します。
しかし、大部分の光路図では、光学素子やデバイスは描かれていますが、ホルダーや調整軸は描かれていません。
そこで、光路図や実験条件から下記のような構成図を作成します。

光学系を組立てるためには、レーザビームに対し、一つひとつの光学素子を適切な位置に配置していく必要があります。
また、光学素子のタイプや光学素子の使用方法によって、使われるホルダーや調整軸が異なるので、
これらの情報を構成図に反映していきます。
さらに構成図で光学系全体を見渡して、光軸高さがそろっているか、配置されたホルダーどうしが干渉しないか、
光学系の性能を満たすために必要な調整機構を備えているかなどを確認し、最終的な部品構成を決定します。

光軸高さ

一般的な光学実験装置は、しっかりしたベースの上で水平面に展開されます。大部分のレーザはベースの上に設置すると水平方向にビームを出射します。このレーザビームを基準にして光学素子を配置していきます。
光学系に使用される光学素子は全てレーザビームと同じ高さにあるのが理想的です。しかし、光学素子の種類が異なるとホルダーの光軸高さも違ってくる場合が多いので、ロッドスタンドやスペーサーの長さを適切に選び、光学素子が同じ高さにそろうようにします。
レーザ光源や測定試料など光軸高さが変えられないものがある場合は、その高さを基準に他の光学素子の光軸高さを合わせます。また、光軸高さを規制するものがない場合は、一番光軸高さが低くならないホルダーを基準にして、他の光学素子の光軸を合わせます。

注意

ホルダーやベースを購入する前に光軸高さを決めておかないと、ホルダーを買い直したり、
追加の部品が必要になる可能性があります。

アライメント

光は触ることも、飛行軌跡を直接見ることもできません。レーザビームが光学素子に当たっても、どこに、どのような角度であたっているかを直接見ることはできません。
このため、レーザビームと光学素子の位置関係は、素子によってレーザビームが反射する光や素子を透過する光などを観察して判断します。このような光学調整方法を『アライメント』と呼びます。
ここでは、光学系を組立るときに使用されるアライメント方法のいくつかをご紹介します。

レーザビームの調整

予め、ベース上のレーザビームが通る場所に印を付けておきます。取付穴がマトリックス状に開いている定盤の場合は、穴の位置に沿ってレーザビームを通すと便利です。
レーザ光源を設置してレーザビームを出射させ、ベースに立てたものさしでレーザビームの位置を確認します。レーザ光源のすぐそばの印にものさしを立てて、レーザを上下左右に平行移動させ、ビームの高さを調整します。
次に、一番遠くに付けた印にものさしを立てて、レーザの角度を動かしながら、ものさしに照射されたビームが同じ高さになるように調整します。このレーザの平行調整と角度調整作業を何回か繰り返し行うことで、印に平行で一定の高さのレーザビームが得られます。
調整後、ビームが動かないようにレーザ光源を固定します。

レーザビームの調整
素子の中心に光を通す

素子の表面にレーザビームが照射されたときに、わずかに散乱光が見えることがあります。この散乱光の位置を素子の中心に通すように、素子の位置を調整します。レーザビームの輝度が弱い場合や素子の表面が非常にきれいな場合、散乱光が見えないことがあります。このような場合は、光を散乱する紙の角を使って、レーザ位置を確認し素子の中心を合わせます。

素子の中心に光を通す
ビームに対し垂直に素子を配置する

レーザビームで照射される面が平らな素子の場合、素子で反射したビームが光源の方に戻ります。この時の反射ビームの位置を確認します。光学系によっては、複数の素子からの反射ビームが出る場合があるので、遮光板で対象になる素子以外の反射ビームを除去し、調整する素子の反射ビームだけにします。
反射したビームがレーザの出射口近くに戻るように素子の角度を調整します。素子から複数の反射ビームが戻ってくる場合は、各反射ビームの中間がレーザの出射口になるように素子の角度を合わせます。

 

注意

ホルダーやベースを購入する前に光軸高さを決めておかないと、ホルダーを買い直したり、
追加の部品が必要になる可能性があります。

45度入射に素子を配置する

光学系を設置するベースの上に、ミラーの位置の印とミラーで直角に反射したビームが通る場所の印を追加します。
2つの印(反射ビームが通る場所とミラーの位置)を結ぶ線の延長上に、ミラーの反射面の中心が来るようにホルダーを設置します。
ミラーホルダーをこの延長線と平行に動かし、レーザビームがミラーの反射面の中心を照射する位置で固定します。
最後に、反射ビームの印の上を同じ高さでレーザビームが通り、定盤に平行になるようミラーホルダーを回転とあおりで調整します。

レンズの光軸調整

レーザビームの照射位置がレンズの中心からずれた場合、レンズを透過したビームは光軸に対し傾斜して進みます。このためレンズにはレンズの中心をレーザビームに合わせるためのYZ調整が必要になります。
また、レンズによってレーザビームが集光する位置を、所定の位置に合わせるためのX軸の調整機構も必要になります。このX軸の調整機構には微調整は必要なく、大きくすばやく動かせるアリ式ステージのような調整機構が適しています。
(【注意】対物レンズのように焦点距離が短いレンズの場合は、X軸に精密な微調整機構が必要になります。)
一般的な光学系ではレンズを傾斜させる調整は必要はありません。軸上に通るビームであればレンズを傾斜してもビームの方向が変わることがありません。ただし、干渉計やレーザ加工などの精密な光学系は、レンズの傾斜によって生じる収差が問題になることがあります。このような場合は、波面や集光スポットの強度分布を観察しながら、レンズの傾斜を調整して、最良の特性が得られる条件を探し出します。

レンズの光軸調整
ビームスプリッターの透過光路

レーザビームが平行平面な素子の表面に垂直入射するときは、透過光路に変化はありません。しかし、素子が傾斜すると出射光路は入射光路に対し平行移動します。このシフト量は、素子の屈折率や厚さ、入射角度によって異なってきます。
光学調整された光路に、後からビームスプリッターを傾斜させた状態で挿入すると、今まで合っていたレーザビームと素子やホルダーの中心位置がずれてしまうことがあります。このため、ビームスプリッターなど傾斜させて挿入する場合は、最初から、ビームがシフトすることを考慮して光学素子の配置を考える必要があります。
例えば、ビームスプリッターの後方に配置される光学素子のベースには、自由な位置に固定できるベースを使用し、定盤の取り付け穴に関係なく素子を固定できるようにします。

ビームスプリッターの透過光路

ホルダーのロッド・スタンドの変換について

カタログに掲載されているホルダーは、大部分がM6雄ネジのロッドが取り付いています。
このロッドを外して、規格が違う雄ネジのロッドに交換したい場合、ホルダーのロッド取り付けタップネジをロッド規格に合わせ変更する必要があります。
ロッド取り付けタップネジをインチ規格ネジ(8-32UNC)やM4のネジ用に変更する場合には、ホルダー品番の末尾にオプションコードを追加することで、指定ができます。

各種ホルダーオプションの接続例

ホルダーの品番にオプションコードを追加すると、ホルダーにはロッドが付いてきません。
M4規格やインチ規格のスタンド・ベースで使用する場合は、
合わせてEE仕様やUU仕様のロッド・ポストスタンドをご選定ください。

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